2006.11 [Vol.50]





農畜水産物中ダイオキシン類濃度について17年度実態調査結果公表

 


農林水産省と水産庁は魚介類、畜産物、農作物中に含まれるダイオキシン類について平成17年度実態調査結果をまとめ、18年10月27日に公表しました。
このうち魚介類中のダイオキシン類濃度の実態把握調査は15年度から19年度までの5か年計画で実施しているもの。
17年度は143種、297検体が調査対象となり、これらの検体のダイオキシン類濃度の単純平均は0.69pg-TEQ/gで、11〜14年度の平均0.91pg-TEQ/g、15年度の平均0.75pg-TEQ/g、16年度の平均0.79pg-TEQ/gをいずれも下回る結果となりました。
*1pg(ピコグラム)は0.000000000001グラム。1兆分の1グラム)

一方、畜産物と農作物中のダイオキシン類濃度の実態把握調査は、ダイオキシン対策関係閣僚会議が11年にまとめた「ダイオキシン対策推進基本指針」に基づき、毎年度調査を実施し結果を公表することになっています。
17年度は8品目72検体の畜産物(牛乳・乳製品、食肉、鶏卵)と21品目85検体の農作物が調査されたましたが、その結果、
畜産物のダイオキシン濃度の範囲は0.0003〜4.4pg-TEQ/g−湿重量、農産物のダイオキシン濃度の範囲は0.0000071〜0.23pg-TEQ/g−湿重量で、ともに環境省、農水省、厚労省が過去に実施したダイオキシン濃度分析値と同程度。
なお農林水産省と水産庁ではこの結果について、日本人の魚介類、畜産物、農作物中からのダイオキシン類摂取量の総計がダイオキシン類の耐容一日摂取量(TDI)の3割程度であるとの結果が厚生労働省の調査で出ていることと考え合わせ、「問題となる値ではない」との見解を示しています。


ダイオキシン類ひとくちメモ

 


ダイオキシン類は、環境中に広く存在しており、その量は非常に微量です。微量でも強い毒性を持つと考えられています。
ダイオキシン類は、主に物が燃焼するときに生成し、環境中に拡散します。ダイオキシン類は、分解されにくい性質をもち、田畑や湖沼、海の底泥等に蓄積しています。
このように、環境中に拡散してしまっているダイオキシン類と、私たちはどうしても接触せざるを得ず、そのほとんどをを食事から摂取してしまっています。
ダイオキシンは1gで数万人の人間が死ぬというこの世でもっとも強い毒性を持っています。ダイオキシン類が環境ホルモンとして働くことで、発ガン性、催奇形性、生殖機能への影響があることが判明しております。
また、ダイオキシンがひとたび体に入ると、その大部分は脂肪に蓄積されて体にとどまります。ごくわずかな量が、分解されたりして体の外に排出されますが、その速度は非常に遅く、人間の場合は半分の量になるのに約7年かかるとされています。


食品からのダイオキシン類一日摂取量、
17年度は体重1kgあたり約1.20pg-TEQに

 


日本人の一般的な生活環境で取り込まれるダイオキシンの量は、1日に体重1kg当たり0.52〜3.53pgと推定されています。(体重50kgの人なら約26〜177pgを体内に取り込んでいることになります。)数値にこれだけの幅があるのは、毎日食べている食品中の濃度に関するデータに大きいものと小さいものといろいろ差があるからです。
食物からの取り込みは0.26〜3.26pgと推定されており、体内への取り込み量の大部分を占めています。その他では、呼吸により空気から取り込む量が0.18pg、土が手についたりして取り込まれる量が0.084pg、飲み水からが0.001pgと推定されています。
なお、17年度の調査結果では、体重1kgあたり平均約1.20pg-TEQにのぼったと推定する調査結果が18年9月にまとまりました。