2005.1 [Vol.32]



 硫酸ピッチ 16年9月末までの不適正処分量を公表【環境省】


環境省は平成11年4月1日から16年9月30日までに全国で確認された硫酸ピッチの不適正処分についての調査結果をまとめ、16年12月28日に公表しました。

硫酸ピッチ】とは
硫酸ピッチは、灯油と重油を混ぜて不正に軽油を製造する際に副産物と生じる有害物質。有害性が強く、健康被害のほか、大気・水質・土壌汚染の原因になる可能性があります。
また、硫酸ピッチを取り除いた軽油をさらに精製する際に不純物として出る沈殿物も硫酸ピッチと同様の危険性を持つとされています。


 年々増加する不適正保管・不法投棄



発表によると、不適正処分の件数は12年度以前が14件、13年度38件、14年度35件、15年度75件、16年度上半期分は41件とあまり変わっていませんが、不適正処分量をみると、12年度以前がドラム缶約3,441本分なのに対し、13年度約は5,629本分、14年度は約15,677本分、15年度は約25,971本分、16年度は上半期だけで7,973本分とおおむね増加傾向を示しています。
また不適正処分量のうち不適正保管が約66%、不法投棄が約26%で、その実行者は排出事業者や収集運搬業者など複数が関与しているケースが30%と最も多い結果となりました。
つまり、十分な対策を講じていない業者が多い実態を示すものとなりました。
また今回の調査では、不正軽油製造の際、軽油を精製するために添加された活性白土、活性炭の残滓(スラッジ)の不適正処分状況についても併せて調査されましたが、その結果では16年度上半期までに、件数にして167件、量にしてドラム缶43,444本分のスラッジが不適正処分されたことが判明しています。


 不法投棄等の形態と検挙


硫酸ピッチの不法投棄等は、人目につかない山中等に硫酸ピッチ入りドラム缶を放置あるいは埋設する不法投棄のケースと、市街地の資材置場や倉庫等に油の保管を装って放置する不適正保管のケースとがあります。
投棄件数では、不法投棄が約55%、不適正保管が約40%を占めていました。投棄量では、不法投棄が約33%、不適正保管が約54%を占める結果となりました。
また、警察庁の平成16年8月発表では、16年上半期の廃棄物関係犯罪の検挙事件数が1511件、検挙人員数が2253人・175法人と、それぞれ平成2年の統計開始以来最多であったとの報告が出ています。


15年度の不適正処分量はドラム缶約25,971本分