2004.11 [Vol.29]



 環境省が環境税案公表 【環境省】


ちょっとおさらい。気候変動枠組条約と京都議定書

大気中の温室効果ガス(二酸化炭素、メタン等)の増大が地球を温暖化し自然の生態系等に悪影響を及ぼすおそれがあることを背景に、大気中の温室効果ガスの濃度を安定化させることを目的として、1992年の地球環境サミット(於リオ・デジャネイロ)で署名のため開放されたのが、気候変動枠組条約
この枠組条約の目的を達成するため第3回締約国会議で採択されたのが、いわゆる「京都議定書」です。先進国等に対し、温室効果ガスを1990年比で、2008年〜2012年に一定数値(日本6%、米7%、EU8%)を削減することを義務づける内容となっています。


 日本の実情

日本の温室効果ガス総排出量は2002年度で、基準年の1990年に比べ約7.6%超過。削減効果の確実性の高い対策が今後着実にされた場合でも、2010年の排出量は京都議定書の約束である「基準年より6%削減」を約12〜13%上回ってしまう見通し。
このような状況の中で環境省は、工場や企業、家庭などから幅広く負担を求めることができ、公平性、透明性、効率性、確実性に優れた温暖化対策、また、国民のライフスタイルや社会経済システムを環境に優しいものへと変えていく推進力として環境税導入をめざし検討を続けており、その案が公表されました。


 気になる環境税の中身

今回示された案は
(一)課税対象はすべての化石燃料と電気
(二)課税のタイミングは、ガソリン、軽油、灯油、LPGについては石油精製会社から移出段階か製品輸入段階で課税し、石炭、重油、天然ガス、都市ガス、電気、ジェット燃料については消費段階で課税(ただし石炭、重油、天然ガスは大口事業者にのみ課税)
(三)税率は炭素1トンあたり2400円(電気1キロワット時あたり0.25円、ガソリン1リットルあたり1.5円相当)で税収は4900億円を見込む
(四)税収の使途は一般財源とするが、温暖化対策に約3400億円使い、その他社会保険料の軽減などにも利用する
(五)鉄鋼製造、エネルギー多消費型製造業、低所得者、小口事業所、寒冷地などのへの軽減措置を実施する、
−−−−といった内容。

税収を利用できる温暖化対策の内容としては、
(1)省エネ機器の購入促進
(2)環境関連産業育成と環境設備支援
(3)グリーンな交通の実現
(4)クリーンエネルギーへの転換
(5)緑の国づくり
(6)温暖化防止につながる技術開発や都市改造
(7)地方公共団体への温暖化対策支援
−−−−をあげています。

なお環境省ではこの税制の導入により、温室効果ガスを二酸化炭素換算で5200万トン程度(90年基準で4%程度)の削減できる一方、GDPは年率0.01%減程度の影響しか受けないとしています。



(環境省発表資料より)