2004.3 [Vol.22]



 バラスト水を国際的に監視
 【環境省】

「バラスト水」というものをご存知でしょうか。これは船舶が空荷の時に重しとして積載する水のこと。船舶の安定性は船荷を積載したときの状態を前提に設計されており、空荷の際は、船体に荷の代わりに水を取り入れてバランスをとります。
このバラスト水が、国際的な環境保全の面から、厳しい視線が注がれています。
というのも、バラスト水の中に取り込まれた水生微生物が本来の生息地以外の地域に運ばれ放出された場合、生態系に影響を与えたり、病原性の微生物を拡散してしまうおそれがあるため。バラスト水の処理について国際的なルールを定めようという機運が高まっています。

●国際海事機関で
 船舶のバラスト水管理のための国際条約採択

2004年2月9日から13日にかけて、英国・ロンドンの国際海事機関(IMO)で、船舶のバラスト水管理に関する国際会議が開催され、「船舶のバラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約」が採択されました。
今回の会議には74か国が参加。
採択された条約には、(1)船舶建造日とバラスト水タンクの容量に応じた段階的なバラスト水規制の導入と遵守義務づけ、(2)総トン数400トン以上の船舶に対する構造、設備についての旗国(船舶登録国)による検査実施、(3)寄港国による監督権限の明確化、(4)締約国によるバラスト水管理の実行および影響に関するモニタリングの実施−−などが盛り込まれました。
なおこの条約は30か国が批准し、これら国の合計商船船腹量が世界の35%以上となった日の12か月後に発効する予定です。


 平成15年の日本周辺海域の海洋汚染発生確認件数571件に

ところで、海上保安庁は平成16年2月、15年の日本周辺海域での海洋汚染確認件数が、前年よりも55件増えた計571件にのぼったと公表しました。
原因別では、油による汚染が382件、廃棄物・有害液体物質・工場排水など油以外による汚染が146件、赤潮による汚染が43件。このうち赤潮による汚染が減った一方で、油による汚染は24件、油以外による汚染も36件増加する結果となりました。
なお油による汚染では、船舶からの排出によるものが約68%を占め、油以外による汚染では廃棄物による汚染がほとんど(84%)を占める結果となりました。